医療現場を舞台にした作品は、さまざまなドラマの中でも人気の高いジャンルです。
しかし、やはりドラマはフィクションであり、実際の医療従事者の状況とは大きくかけ離れています。
ここでは、看護師にスポットをあてて、医療ドラマと現実の違いをピックアップしていきたいと思います。
最も大きな違いとして挙げられるのが、排泄面についての描写が一切ないこと。
看護業務の中において、患者さんの排泄をサポートすることは非常に多くなります。
病棟であれば、寝たきりでトイレに行くことが不可能な患者さん、排泄自体が厳しい高齢者・重症の患者さんなど、トイレの困難を抱えている人は少なくありません。
人である以上、一日に何度かは排泄をするものです。
そんな中、複数人の患者さんを担当しているのであれば、排泄のサポートが圧倒的に多くなるのは想像できるのではないでしょうか。
しかし、医療ドラマでは、排泄のシーンはほとんど描写されないといっても過言ではありません。
もちろん、排泄はきれいなものではなく、プライバシー的にも放送できないのはわかります。
しかし、詳細に描かないとはいえ、現実でよくある仕事が排除されがちなのは、あまり良いこととは思いません。
その結果、ドラマに憧れて業界に参入した看護師が、おむつ交換などの排泄面のサポートで苦痛に感じてしまうかもしれません。
甘くない世界である医療現場を描くのなら、多少なりとも真実味のある形で放送してほしいと感じます。
多くの医療ドラマでは、登場人物が和気あいあいとして、華やかな仕事であるように描写されがちです。
しかし、実際の現場はそう甘いものではありません。
点滴交換や検査の介助、患者さんの排泄サポートなど、多岐にわたる仕事を淡々と進めていく場面が多くなります。
特に、看護師は雑用のような作業を任されることもあるため、地味な業務でもコツコツと行える資質が求められることは知っておいた方が良いでしょう。